そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

羽生マジック@王将戦

夕方、ニュース記事を眺めていてスポニチ王将戦 羽生「戸惑い」のスタートが目に止まった。


振り駒で歩が3枚。森内の先手で7六歩。羽生3四歩。4分考えている。森内3手目6六歩と角道を止め振り飛車をうかがわせる。それを見るや羽生が髪をくしゃくしゃとかき回し、視線を窓の外、未明から降りしきる粉雪に振った。「意外な出だしで、ちょっと戸惑った」という羽生は、10分考えて3二飛と応じた。手が進み森内11手目に8八飛として、両雄の対局では珍しい力戦相振り飛車の戦型が出現。

▲7六歩△3四歩▲6六歩というのはごくありふれた出だしではないか。なぜ羽生は「髪をくしゃくしゃとかき回し、視線を窓の外、未明から降りしきる粉雪に振」るほどに戸惑うのか? 冒頭から意味不明な記事である。それはさておき森内−羽生戦で力戦相振飛車とは面白い。スポニチの端折った指し手紹介では物足りない(というか具体的な戦型がさっぱりわからない)のでその後の進展をどこかでレポしてないか探してみた。
実況中継@毎日は有料、しかし2ちゃんねるの囲碁・将棋板で実況スレを発見*1
作戦負けを自覚した羽生の無理気味の端攻めをいなして森内余裕の左翼圧迫攻め、ところが羽生はその左翼へ妖しい△7六桂打ち。続く歩の犠打1発で攻守に効いていた森内の飛車角が凝り形に。絵に描いたような羽生マジック炸裂。とはいえこれは受けの手であり依然森内優勢だったのだがたっぷり時間を使って飛車を切って寄せに入った森内に対し、羽生は取れる飛車を無視して守りの桂馬打ち。これで森内の感覚が微妙に狂ったか持ち時間を使い切り1分将棋となったのが響いたのか、以下森内に緩手が出て形勢逆転し羽生の劇的な勝利となった。
私のようなヘボにもわかりやすい面白い将棋で、終局まで2時間ほど実況スレをROMしてしまった。しかし観る分には面白いが、タイトル戦の緒戦でこんなひどい負け方をした森内は立ち直るのが大変だろうなあ。

*1:主催社や将棋連盟にとってはこういう実況スレは商売の邪魔なんだろうなあ。