そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

映画いろいろ

あけおめ。

年末年始は友人宅で映画鑑賞三昧。昨年後半に見たものも混ぜて感想を。
トランスフォーマー、噂には聞いていたが特撮シーンのクオリティがすごい。一方、主人公の少年周辺のドラマがひたすらかったるい。戦闘シーンは対人間だとまだいいのだが善悪ロボット対決になるとカメラと被写体(CGのロボット)の動きが早すぎて何が起こっているのか把握できないシーン多数。オープニングで米軍特殊部隊分隊の兵士たちに死亡フラグが立ちまくるが、結局誰一人死なないままラストまで大活躍ってのが意外だった。

2006年版日本沈没、邦画にしては特撮を頑張ってる。にしても主演の男女二人(草なぎ、柴咲)があまりにアレすぎてなんともかんとも。石坂浩二の総理大臣や大地真央の特務大臣もひどかったから役者の問題というより脚本がひどすぎたか。
原作小説や1973年版映画では「何もせんほうがええ」という滅びの美学が印象的に語られていたような記憶があるのだが、2006年版はその「複数の識者から出た意見」を紹介した石坂総理が序盤で退場して(涙目で孫娘の話なんかするからああいうことになる)、あとは、日本列島なきあと日本人のアイデンティティはどうなる?というようなテーマは語られずじまい。

「ソウ」、事前にあらすじを知っていたのが残念。主人公たちが唐突に閉鎖空間に幽閉され脱出を図るという点で「キューブ」に通じるものがあるが、「キューブ」の状況設定が不条理なのに対して「ソウ」は理不尽。被害者たちがなぜこういう酷い目にあうのか、最後まで納得できない不快感が残った。

ガタカ、製作当時(1997年)は遺伝子操作がホットな話題だったのかもしれないが今観るとかなり微妙。
遺伝子的に「不適合」な主人公と、遺伝子エリートだが事故で半身不随となった青年の同居生活描写にちょっと妖しい雰囲気があって、「この主人公は太陽がいっぱいのリメイク作リプリーでホモ青年を演じた役者かも?」と適当なことを言ってしまったのだが、帰宅してから調べてみたら二重に間違えていた。

  1. wikipediaによるとリプリー」は原作は同じ小説だが「太陽がいっぱい」のリメイクではない。
  2. リプリー」の主人公を演じたのはマット・デイモン、「ガタカ」の主人公はイーサン・ホーク

ただ、間違えたなかにも真実はあって。「ガタカ」で半身不随の青年を演じたジュード・ロウは、「リプリー」で金持ちの放蕩息子を演じている(ただしノンケなので主人公ホモ青年とハッテンはしない)。

「パプリカ」、脇役だが割と重要な人物二人の演技(声優)が妙に素人臭い。最後、スタッフロールで確認したところ原作者筒井康隆と監督の今敏であった。困ったもんだ。原作は、精神異常者の心象風景描写などに鳥肌が立つような凄みがあって、あんな禍禍しくおぞましいものは映像にできっこないと思ったのだが、案の定というべきか、基地外演出は陽性のハッチャケドンガラガッタ大行進。それも不気味といえば不気味なんだが、陰惨な病的な描写はほとんどなし。
オープニングを見ただけで絵は期待できるが、タイトルが出た後のクレジットの見せ方(演出)が東京ゴッドファーザーズと同じ、そこで今敏監督作品と気づいて、お話の方も大丈夫だろうと予想したのだが、期待どおり観て楽しめる作品に仕上がっていた。全体に無難にまとめたという印象はあるが、原作に対抗心を燃やして変なことをやって破綻するよりは千倍ましだろう。
APPLESEED、キャラ造形がものすごく気持ち悪い。未来都市オリュンポスはキンキラ眩しいばかりだし、それよりずっとましなオープニングの廃墟戦闘シーンもすでに陳腐化しているような。CGは日進月歩なので今の目で2004年公開の作品を見ると粗が目立つということかもしれないが。これより一年前の2003年製作「アニマトリックスは映像面でも世界像の提示でもセンス・オブ・ワンダーがある(オムニバスで作風もまちまちのため単純比較はできないが)。
面倒になってきたので、以下、面白かった作品名だけ羅列。
ビッグ・フィッシュ、すごく良かった。泣ける泣ける。
時をかける少女(2006年アニメ版)、出だしはどうなることかと思ったが後半どんどん良くなる。
ラスト・サムライ渡辺謙もいいが真田広之が凄い。小雪は背が高すぎ。
切腹、むかし一度観たきりでほとんど忘れていたので新鮮だった。(仲代達矢の印象ばかり強烈で、三國連太郎丹波哲郎は記憶に残っていなかった。)

映画ではないが、ついでに。
スパイ大作戦の「欺瞞作戦」、十数年ぶりに見て「スパイ大作戦」シリーズ中の最高傑作と再確信。
(01/11、ちょっとリライト)