速くなるのは快感
キラキラblogの「この曲こんなテンポ遅かったっけ?」現象を読んで「あるある!」と思ったのだが、しかしあらためて考えてみると実例が一つも思い浮かばない。“昔よく聴いていた曲を久々に聴いたら遅く感じた”という経験はないのになぜ反射的に「ある」と思ったのか。
ある曲をやや速いテンポでしばらく聴いているとそのテンポでもOKのような気になってくる(むしろ本来のテンポより心地良く感じたりする)、また、耳が慣れてから本来のテンポに戻すとすごく間延びしたように感じる、という現象なら何度も体験している(逆はない)。どうもこれと上記の現象を混同して「あるある」と思ってしまったらしい。
上記エントリーでは、後半からどんどんテンポが上がって行く曲(「カリンカ」)の例も挙げられているが、アメリカのフォークソングでも後半から加速するのがある*1。そういえば「大草原の小さな家」の“父さん”は趣味でヴァイオリンを弾くのだが、バンジョー弾きと意気投合して速弾きの腕比べで盛り上がるというエピソードがあった。
楽曲の加速は聞き手にとっては聴覚の快感だが、演奏者や踊り手にとっては肉体の快楽(スリル〜眩暈〜恍惚)という面があるかも。曲が加速しはじめたら体を動かすともっと気持ちよくなれるかも(加速しなくても、曲に合わせて体を動かすのは普通に気持ちいいわけだが)。