そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

ルイエのリコーダー曲

上で、テンポを速くして聴くと耳が慣れて云々と書いたが、これはパソコンで楽曲データを打ち込む時に頻繁に体験した。データの入力途中で(入力が一段落してからも)、何度もデータを再生して耳で誤入力をチェックするのだが、本来のテンポでは時間がかかってしょうがない。で、入力途中はテンポを上げておく。入力完了するまで数十回、どうかすると100回以上繰り返し聴く。各パートの入力を終える頃にはアップテンポにすっかり耳が馴染んでいて元のテンポに戻すとどうもなんだかかったるい、なんてことによくなっていた。私の場合はその後本来のテンポに戻して飾りを付けたり音量やバランス調整の作業をしていたので完成する頃には感覚も元に戻っていたものだが。

で、なんでデータ入力の昔話に突入したかというと、数日前のダンボール開梱で楽譜と楽器(ハモニカ、リコーダー)を発掘したので久しぶりに楽曲データの打ち込みをしていたから。曲はルイエのソナタアダージョ、テンポはAdagioだから4分音符=58にしてみたが記憶だともっと遅かったような? 58では速過ぎる。……あれ、昔よく聴いてた曲を速く感じるって、キラキラblogが指摘する現象とは逆だ(笑)。とりあえず55に設定して(これでもまだ速過ぎる気がするが)入力は完了。
あれこれ記憶を辿っていて思い出した。私はこの曲の本来のテンポを知らないのであった。というか、プロ奏者の演奏を聴いたことがない。もっと遅い曲だったはず、といっても私の記憶に残る演奏のテンポは実はアマチュアの演奏なのである。私の脳に刻み込まれているこのテンポは、“合っている”のだろうか?

入力したmidiファイルは雑文サイトに置いておく。旋律のみで味付けは一切してない(トリルさえ省いている)ので聴いても面白くもおかしくもない。

と、この項はここで終わるつもりだったのだが、手元の楽譜では曲名が「Sonate a-Moll」としか書いてないので念のために検索してみたら驚きの発見。
手元の楽譜では作曲者名は Jean Baptiste Loeillet de Gant となっている。私は長らく「ガン」だと思い込んでいた。が、ガン(Gant)ってのは地名なんだと(同姓同名の別人と区別するための)。姓はルイエなんだと。ガーン!なんちって。いや、驚いた。
それから、上に書いたように曲名は「リコーダーと通奏低音のための12のソナタ」、これも驚きだった。手元の楽譜は2本のリコーダーの合奏用なんである。この曲はリコーダー合奏曲だと思い込んでいた。
テンポに関しては一つの答えが得られた。リコーダーJPJ.B.ルイエの解説ソナタ イ短調 作品1の1の解説ページがあり、後者に演奏例の音声ファイル(RealAudio)が置いてある。この演奏例のテンポは私が昔聴いたアマ演奏と概ね同じであった(4分音符=55より遅い)。