そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

ESPIO、内田樹氏を貶す

朝鮮総連の移転登記問題、ESPIOがどこかの誰かさんの意見を「引用」*1して


 まことに陰謀論者は度し難い。特に、それが“インテリジェンス”に感染している場合には!
 こういうのを「インテリジェンス馬鹿」というのである。

と評している。
しかし、「引用」された文言は、賛成はできないがそれほどおかしな意見とも思えない。元日弁連会長と元公安調査庁長官が直接関与しているからには何か裏の事情なり諜報機関の高度な判断なりがあるに違いないと考えるのは自然な発想だし。
今週頭の土屋弁護士(元会長)と緒方弁護士(元長官)の会見およびその後の報道は、この大物二人のお間抜けぶりを強く伝えるものとなっており、本件は高度な諜報活動の一環ではなく単なる詐欺話にすぎないという印象が強くなってきているために*2、「引用」された意見(元長官擁護論)はもうほとんど説得力を失っているが、1週間以上前に表明されたものならあまり責められないように思う。


続報の公安調査庁―インテリジェンス馬鹿(その2)で、「インテリジェンス馬鹿」と評された人物が内田樹氏と判明した。続報でもボロクソにこきおろしている。曰く、「この引用文の書き手はネット上でよく見受けられる「デンパ」な人かと勘違いしていた」、「どうせ「デンパな人」だからいちいち名指しする必要もないと考えた」、「「デンパな人」は実は、かなり高い教育を受け、かなり高い地位にあり、複数の著作を世に発表し、世間的にはかなりの識見を備えている人だと考えられている人であることに気付いた」、「いやはや、それでこのレベルか」
ただし野田氏は続報でも内田氏の名前は明記せず「引用」元のURLも示していない。切込隊長ブログのURLを書くことで間接的に相手を指し示している。 → ガセネタが乱舞するとき(公安調査庁編)

公安調査庁に敵視されている野田氏(元公調職員)としては、公安調査庁が解体されることを強く願っていることだろうし、あれこれと元長官の動機を忖度して公安調査庁を擁護する意見は相当に腹立たしいのだろうなあ、などと想像しつつ、問題の内田樹氏の記事を読んでみた。→ たたかえ!公安調査庁(6/19)


これは、野田氏が呆れるのももっともだわ。トンデモなことが多々書いてある。今回の事件に当て嵌まらないだけでなく一般論としても変。例えば、

「犯罪組織と警察が緊密な連絡を取り合い、ある程度共依存的関係を保つことができれば、国家体制の根幹を揺るがすようなカタストロフは回避できる」

とか。「共依存」の用法が変だし、警察が犯罪組織に依存しちゃいかんし、そんな関係が保たれていたら国家体制が安泰でも一般市民はたまったもんじゃない……と、ツッコミどころ満載。あるいはまたこんなぐあい。


スパイというのは本質的にダブル・エージェントである。
情報戦の本質はビジネスと同じく「交換」だからだ。
自国の機密情報を流すことを代償にしてしか、敵国の情報を得ることはできない。

1行目は定説だからいいとして、2行目の「交換」って何?と首かしげつつ3行目を見ると、威勢よく奇妙な断言。自国の機密を流さずに他の手段(金、脅迫、エトセトラ)で敵国情報を得ることだって多いだろうに何を根拠にこんなことを? しかし読み進んでも根拠も説明もなし。ただの言いっぱなし。
これではESPIOが「著しく事実関係を無視しており、いくつもの独善的な臆断を前提にしながら、一見論理的に、その実、荒唐無稽な陰謀論を展開しているに過ぎない」とこきおろすのも無理はない。
ずいぶんな内容だが、切込隊長ブログは「内田さんに限らずネットなんてのはガセネタや陰謀論流して読み手集めてナンボという部分もあるので、私は敢えて釣りだろうとも予測するわけです」と、“釣り説”を唱えている。釣りなのか本気なのか、内田樹氏のことはよく知らないので判断はできない。


いやしかし朝鮮総連移転登記問題ってなんか変な事件だねえ。と無内容な感想投げておしまい。

*1:書き手の名前も出典も示しておらず引用の要件を満たしていないので括弧付きの「引用」としておく。

*2:緒方弁護士(元長官)は14日の会見では「信念に基づいて行った」と語っていたが、18日の会見では一転して「だまされたとは思いたくないが、乗せられたのかと思う」と肩を落としている。土屋弁護士のほうは18日の会見でもまだ強気だったが。