そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

「COMICアレ!」からアレコレ

本棚の下段に突っ込んであった「COMICアレ!」(BRUTUS臨時増刊、1993年11月20日号、マガジンハウス)を再読。
巻頭は山岸凉子の「タイムスリップ」。表紙のみカラー。表紙で期待させられるが中身は不思議体験談をまとめたエッセイマンガなのであった。それはそれで悪くはないが、臨時増刊号なのに巻頭40Pがエッセイマンガというのは何かちぐはぐなような。といって代わりに巻頭にもってきてさまになりそうなのは御厨さと美の「ふらち」ぐらいしか見当たらないが、江口寿史のおしゃれな表紙*1をめくって一本目が御厨さと美というのも別の違和感がある。
このマンガ誌、結局どうなったのか。検索してみた。漫画雑誌データベースの公開雑誌一覧によるとこの号は創刊準備号で、「COMICアレ!」は月刊マンガ誌として94年5月号から3年弱頑張っていたらしい。

一條裕子の短編「ごはんの家」(5p)が載っていることに今回の再読で初めて気づいた。公式サイトの作品目録によるとデビュー2作目。2作目にして絵・作風が確立している。

山松ゆうきちの「ギャンブル人生」は、極貧のアシからマンガ家として一人立ちし収入は増えたが競輪を覚えてあいかわらずおけらな生活が続く「僕」を描いた半自伝的(?)作品で、こりゃどう見ても自滅タイプ。独特の味のある作家で嫌いではないが単行本は手元に一冊もない。思い立って検索してみたら、この人、今も健在でなんかすごいことやってるようで。→ たけくまメモ : インドへ馬鹿がやって来た
上記エントリーから【速報】山松先生に会ってきた『血だるま剣法』がインドで出版平田弘史・もうひとつの伝説と辿る。
血だるま剣法”って、慣用表現じゃなくて、ほんとにダルマ(両手両足切断)になっちゃう話なのか。すげえ。なるほどなあ、山上たつひこの「鬼刃流転」(のツチノコ剣士)には、こういう凄い元ネタがあったのだなあ。

*1:Yahoo!オークションに出品されていて表紙と目次が見られる。すでに終了しているのでいつまで参照できるかわからないがリンクしておく。COMIC アレ!◆BRUTUS臨時増刊 しりあがり寿 山岸凉子 マンガ