そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

殺人量刑メモ2(06-25 追記)

「殺人に関して組織犯罪処罰法(殺人)は刑法よりも量刑が重いのか? 同じじゃないの?」という疑問に対して、id:kokekokkoさんからコメント欄でご教示いただいた。

法律第百五十六号(平一六・一二・八) 刑法等の一部を改正する法律


 (刑法の一部改正)
第百九十九条中「三年」を「五年」に改める。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第三条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。


  第三条第一項第七号中「五年」を「六年」に改める。

法律第156号の改正(今年1月施行)で刑法の殺人罪は「3年以上」が「5年以上」に、組織犯罪処罰法は「5年以上」が「6年以上」に改正された、つまり組織犯罪処罰法のほうが量刑は重い、ということか。なるほど。
なお、組織犯罪処罰法の「第三条第一項第七号」というのは現行の条文を見ると殺人ではなく信用毀損及び業務妨害に関する規定なんだけれども(これで結構悩んだ)、法律第156号の附則には以下の規定がある。


第二条  この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第   号)の施行の日前である場合には、第三条のうち組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第三条第一項第七号の改正規定中「第三条第一項第七号」とあるのは、「第三条第一項第三号」とする。
(出典:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 の「附則(平成16年12月8日法律第156号)抄」)

どうやらこれが適用されて、「改正されるのは第七号ではなく第三号」ということになっているらしいと自分なりに納得しかけたのだが。が。が。が。あちこちのサイトを見て回っているうちに新たな疑問が。
法律第156号の改正を織り込んだ最新の条文を掲載しているサイトを見てみると、私が見た範囲ではどこも第三号(殺人)は「5年以上」のままになっていて第七号(信用毀損及び業務妨害)のほうを(「5年以下」から)「6年以下」に直しているのである。

法律専門の3サイトが揃って、殺人の処罰を(刑法199条と同じ)「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」のままにし、信用毀損及び業務妨害のほうの量刑を“改正”しているのはなんでだ? いいのそれで? てことは現時点で殺人に関しては組織犯罪処罰法も刑法199条も量刑は同じってこと?
あちこち見て回ってちょびっと知識は増えたけど、あいかわらずさっぱりわからんのであった。






(06-28追記)コメント欄で教えていただいた『六法全書』の件だが、今夕、『六法全書』が正しい(3サイトが間違っている)という答えが得られた。詳しくは06-28 殺人量刑メモ3を参照されたし。