そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

名人戦問題(2)

日本将棋連盟のドタバタが続いている。予想どおりだが。
連盟は棋士総会前日の25日になって「名人戦理事会案」なるものを公表したが、これが“まず毎日と単独開催を協議するが不調なら毎日・朝日の共催を協議、それも不調なら朝日と交渉”というものだった。今回の騒動は連盟が朝日への移籍を決めて毎日に契約打ち切りを一方的に通告したのが発端だが、この理事会案は、毎日や世間の批判に晒されたのでアリバイ的に最初に毎日と協議するが最終的には予定どおり朝日に移籍する、と宣言しているようなものだ。毎日を怒らせようとしてワザと非礼を重ねているとしか思えない。
当然のことながら毎日は猛反発、

 議案は毎日新聞と単独主催の交渉をするとしながら、「折り合いのつかなかった場合は共催」「それも不調の場合は朝日と交渉」としている。まだ協議が始まってもいない段階でこれはないだろう。協議が不調に終わるのを初めから望んでいるわけではないだろうし、協議の結果、双方納得のいく解決策がみつかれば、それでハッピーエンドではないのだろうか。


と、連盟の“誠意”を疑問視する記事を掲載。
迷走&暴走する理事会に対し百数十人の棋士たちはどういう判断を下すのか? 総会当日の26日は夜になってもニュースが出ずさっぱり状況がわからない。21時過ぎになって連盟会長の米長氏が日記を更新。

総会速報 投稿者:米長邦雄 投稿日: 5月26日(金)21時14分9秒
総会終了後に記者会見しました。

名人戦問題・理事会案について
  賛成  149票
  反対   34票
  白紙    1票
(以下略)


米長日記が更新されてからしばらくすると日本将棋連盟公式サイトにも米長日記と同内容の「第57回通常総会の報告」が掲載された。

さんざん迷走した挙句、あらためて念入りに毎日を侮辱してみせるあの理事会案を圧倒的多数で可決って……。理事会がダメなんじゃなくてプロ棋士の大半が非常識人か……。
と思ったら。米長&連盟の報告から少し遅れて各マスコミの記事が続々と出てきたのだが、それによると、なんと、前日公表された理事会案と総会で提出された案は別物だったんだと*1。呆れたぜ。総会前日に理事会案発表とか当日になって議案を修正して提出というのもおそろしく手際が悪いというか、泥沼流ならぬ泥縄式だが、違う議案になっていたのに無修正で可決されたかのように公式発表してしまう米長&連盟って。非常識にもほどがある(連盟サイトは翌27日、「総会報告の補足説明」を掲載)。
理事会案を巡るドタバタについては「勝手に将棋トピックス」名人戦契約問題についていろいろ(29)が丁寧に推移や各種報道、棋士ブログの反応をフォローしている*2

*1:25日の理事会案の(1)は「毎日新聞社と単独案の交渉をする」という内容不明のしろものだったが、総会に提出された議案の(1)は「現在主催している毎日新聞社に、単独主催か朝日新聞社との共催かを確認。単独開催希望で金額が提示された場合は、棋士による表決を行う」(共同通信の記事)に大幅修正されていた。「棋士による表決」が明示されたことで理事会に批判的な棋士も矛をおさめ、賛成に回ったらしい。

*2: (29)(05月26日の項)は「毎日新聞の記事によれば以下の通り。他紙でも同様の内容です」として毎日の記事を引用しているが、出典リンクは共同通信の記事「名人戦主催の方針を決定 女流棋士にも編入試験実施」になっている。 追記:修正された。