そいとごえすの退避ブログ

2019-02-21 はてダから移転。

「オメガマン」

漫棚通信ブログ版: ゾンビな週末の、


 モダン・ゾンビ映画は、1968年、ジョージ・A・ロメロ監督『ザ・ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』、そして世界じゅうでヒットした1978年の『ゾンビ』に始まりますが、その源流が、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』(I Am Legend、1954年)です。で、これもぱらぱらと読み直し。

 この小説では、(1)人間より吸血鬼のほうが多くなった状況設定と、(2)吸血鬼化=細菌による感染という現代的アイデアが導入されました。とくに(1)はスティーヴィン・キング『呪われた町』(1975年)やキム・ニューマンドラキュラ紀元』シリーズ(1992年〜)でも踏襲されてます。


というくだりを読んで映画「オメガマン」のことを思い出し、検索してみたら原作がこの小説『地球最後の男』だった。「オメガマン」は映画化第二作だったのだなあ。→ 「地球最後の男 オメガマン」(1971年) - Yahoo!映画、映画化第一作は「地球最後の男」 - SF MOVIE DataBank」
「オメガマン」の敵、吸血鬼化した人間たちには知性があって、ゾンビというより「続・猿の惑星」の地下人間を連想させるものだった(「猿の惑星」において人間は退化し原始人化しているが、「続・猿の惑星」では地下シェルターに避難して生き残った人々がいたという設定が加わり、その末裔が知性を保ちつつも放射能のためにワヤになり地下の廃墟で細々と人類文明を維持している)。といっても、主演がどちらもチャールトン・ヘストンだからそういう連想をしたのかもしれないが。
二つの作品には他にも共通点がある。「続・猿の惑星」で地下人間たちが神として崇めている核ミサイルの名前が「アルファオメガ」(たぶん聖書の引用)。また、「続・猿の惑星」のラストで、ヘストン演じるテイラー船長は“地球最後の男”となる。


検索の過程で、映画化第三作が今年12月公開予定なのを知った。

「オメガマン」も「続・猿の惑星」も一言でいってしまえば凡作だが、チャールトン・ヘストンは全人類の業を背負う悲劇のヒーロー*1を演じると妙にハマる人で(「ソイレント・グリーン」なんてのもあった)、それなりに見られる作品になっていた。はたしてウィル・スミスがあの存在感を出せるのかどうか。

同一原作から三度目の映画化といえば、近く日本公開される「インベージョン」 - SF MOVIE DataBankは『盗まれた街』の映画化第四作だったな。映画化第二作の「SF/ボディ・スナッチャー」 - SF MOVIE DataBank(1978年)のラストシーンは「猿の惑星」に匹敵する衝撃があったが、「エス」の監督とニコール・キッドマンの組み合わせで、どんな作品に仕上がっているのやら。

*1:「続・猿の惑星」の主人公は一応別にいるのだが第一作の二番煎じをやらされる損な役回りで、クライマックスおよびラストの見せ場で大見得を切るヒーローはヘストン演じるテイラー船長。