ボナンザ優勝
コンピュータ将棋協会(CSA)主催の第16回世界コンピュータ将棋選手権は、初出場の「ボナンザ」が優勝した。
「ボナンザ」が去年6月にフリーソフトとしてデビューした時には異様な強さ・速さに驚かされた。コンピュータ将棋選手権に出場すればかなりいい線行くだろうと思ってはいたが、まさか初出場で優勝してしまうとは。お見事!
今年の選手権はインターネット中継してくれたのでこの3日間観戦三昧。1日目の1次予選は「もっと頑張ろうね」レベルのソフトが結構あってほほえましく眺めていられたが2日目の2次予選は実力者同士の対戦だともう私の棋力をはるかに超えている。ちょっと寂しい。寂しいといえば古豪の「金沢将棋」が去年に続いて決勝リーグ進出ならずだったのも寂しいなあ。同じく古豪の「柿木将棋」とは明暗が分かれた。
今日の決勝は6回戦のボナンザ−タコス戦が印象深かった。相矢倉模様からいきなり角銀交換し、おもむろに穴熊を始めるボナンザ。途中、ボナンザの思い切りのよさが裏目に出てタコスに分のいい将棋になったように見えたのだが。87手目▲4五桂あたり(中継ブログに盤面図あり*1)ではすでに逆転か。私の棋力ではよくわからん。
【6勝1敗】ボナンザ
【5勝1敗1分】YSS、KCC
【4勝3敗】TACOS(以上来期決勝リーグシード)
【3勝3敗1分】激指
【2勝4敗1分】柿木将棋
【1勝6敗】竜の卵
【0勝7敗】大槻将棋
去年優勝の「激指」が決勝シード落ちとは恐ろしく高レベルな戦いだ。ボナンザが1期で決勝リーグまで行ってくれたのに(決勝シード権獲得)、かわりに激指が落ちてくるんでは来年の2次予選も厳しいことになりそう。
2次予選を1位通過の「大槻将棋」が全敗。ソフトにも人間棋士のような“相性”があるようで。
しかし、人間のプロ棋界の話題よりコンピュータ将棋の話題のほうがはるかに明朗で楽しいってのは、困ったもんだなあ。
これまでは優勝ソフトとプロ棋士の公開対局が行われていたが、日本将棋連盟が昨年秋、プロとソフトの公開対局を禁止したため、今回は2004年のアマ竜王・加藤幸男さん(24)が最終日の5日にボナンザとハンデなしで対局した。
なるほど、今年のエキシビションの相手がアマなのは日本将棋連盟の統制のせいだったのか。金のためかプロの威信防衛のためかは知らないが、情けない話だ。
*1:この局面、私は▲2五歩を決めてから▲4五桂かと思っていた。