朝日「秋の読書特集」
“架空全集”3件を書き写してみた。価格は省略。(“架空全集”については28日のエントリー参照。)
唐沢俊一「抱腹絶倒のトンデモ本全集」
第1巻『人類の月面着陸はなかったろう論』副島隆彦(徳間書店)
第2巻『ノストラダムスの大予言』五島勉(祥伝社)
第3巻『地球の支配者は爬虫類人的異星人である』太田龍(成甲書房)
第4巻『NASAも隠しきれない異星文明の巨大証拠群』コンノ・ケンイチ、伊達巌、ジェフ・チャレンダー(徳間書店)
第5巻『20世紀最後の真実』落合信彦(集英社)
第6巻『人は死ぬ時なぜ体重が減るのか』矢追純一(河出書房新社)
第7巻『本当にいる世界の「未知生物」(UMA)案内』天野ミチヒロ(笠倉出版社)
第8巻『胎児の世界』三木成夫(中公新書)
第9巻『MMRマガジンミステリー調査班』石垣ゆうき(講談社)
第10巻『奇妙な論理』マーティン・ガードナー、市場康男訳(ハヤカワ文庫)
選者・唐沢俊一の記事は唐沢スレ@2chに転記されている。→ 【渋谷撤退】盗作屋 唐沢俊一50歳【蔵書処分】 #638-639
森永卓郎「貧困と格差社会を生き抜くための全集」
第1巻『機会不平等』斎藤貴男(文春文庫)
第2巻『構造改革論の誤解』野口旭、田中秀臣(東洋経済新報社)
第3巻『生きさせろ! 難民化する若者たち』雨宮処凛(太田出版)
第4巻『反貧困 「すべり台社会」からの脱出』湯浅誠(岩波新書)
第5巻『生活保護が危ない 「最後のセーフティーネット」はいま』産経新聞大阪社会部(扶桑社新書)
第6巻『不平等が健康を損なう』イチロー・カワチ、ブルース・P・ケネディ(西信雄ほか監訳、社会疫学研究会訳、日本評論社)
第7巻『新・学歴社会がはじまる 分断される子供たち』尾木直樹(青灯社)
第8巻『新平等社会 「希望格差」を超えて』山田昌弘(文芸春秋)
第9巻『萌える男』本田透(ちくま新書)
第10巻『闘う経済学 未来をつくる「公共政策論」入門』竹中平蔵(集英社インターナショナル)
最後に、ここまで読み進めれば構造改革路線の誤りは明確に認識できるはずだが、いまだに郵政民営化も不良債権処理も正しかったと主張するのが第10巻だ。この本の議論の展開は見事だが、どこに欺瞞があるのか見破ることができれば、格差問題の理解は完璧だ。
朝日新聞、秋の読書特集 架空全集を編む、2008年10月27日、23面